持続可能な資源(水の豊かさ)と産業について考えてみよう

目標8 働きがいも経済成長も
ターゲット8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
目標15 陸の豊かさも守ろう
ターゲット15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
2025年11月 富山県内の高等学校の学生27名が参加。
宇奈月ダムと自然エネルギーの黒部峡谷鉄道トロッコ電車
黒部川には黒四ダムを始め5つのダムがあります。これらのダムは治水だけでなく、生態系の保全や水力発電の役割を持つ多目的ダムです。

そして黒部川には12の水力発電所があります。これらは黒部川の水が落ちる勢いを利用して水車を回し電力を産みます。
この電力は黒部峡谷鉄道トロッコ電車の運行に利用されています。つまり黒部峡谷鉄道トロッコ電車は水力発電で動くエコな交通機関ということです。このトロッコ電車は、地域資源(水)を活かして観光需要を生み、地域に経済的豊かさをもたらす好例といえます。

黒部市は地下水を消毒して「黒部の天然水」などのペットボトル商品として販売し、また地下水は水道水として使用されているため、蛇口をひねるとミネラルウォターが出るとても贅沢な環境にあります。


黒部の水は3000m級の立山連峰の雪解け水が地下に染み込み、花崗岩(かこうがん)から長い年月をかけて多様なミネラルを吸収し、その影響でまろやかな味になるとされています。
黒部市や入善町等では、このようなミネラル多様な水を活かし、缶コーヒー・地ビール・パックご飯・染物など、質の良い〝ものづくり〟が行われています。

黒部川の下流付近の〝生地〟では、黒部川の地下水が湧いて出るエリアをめぐるツアーを行っています。また生地はまろやかな地下水と昆布の相性が抜群で、昆布だしの食文化が発展しました。他にもとろろ昆布を汁物に入れたり、昆布茶として飲用されています。
本ツアーにおいてこれらの施設を巡り、黒部川の水を守ることが、地域産業の活性につながること、つまり環境保全と経済発展が一体でなければならないことを実感していただけます。
生地の水めぐり 40分~60分程度のガイド付きツアーを

四十物昆布 生地にある、水とともに育まれた昆布文化を伝える企業。
ツアー参加者は、とろろ昆布のおにぎり、昆布茶、昆布巻等の試食、またとろろ昆布ができる様をガラス越しにご覧いただけます。


豆知識
もともと富山県は昆布が育つ環境ではありません。ところが明治・大正期に蝦夷地に移住した、一部の富山県民が羅臼こんぶを生産するようになり、これを北前船で仕入れ、富山県で販売してきたという歴史があります。富山県では羅臼昆布と黒部のまろやかな水を使った、野菜鍋・みそ汁・うどん等が食され、またとろろ昆布を入れるなど独自の昆布文化が根付きました。
富山を代表するものづくり産業 YKKセンターパーク

YKK黒部工場は1955年に黒部市に完成しました。当時は高度経済成長による電力不足の時代でしたので、黒部川の水力発電は大いに役立ったのです。また、ものづくりに良質な水は欠かせない資源でした。例えばファスナーの染色には水が使用されていました。また現在では工場で発生した熱を地下水で冷やすなど、温暖化に配慮した空気循環システムに活用されています。
ところでYKKセンターパークには、ふるさとの森プロジェクトとして植林による森づくりが行われるなど、地域に根ざした環境活動が行われています。
YKKには〝他人の利益を図らなきゃ自らが栄えない〟という創業者吉田忠雄氏の言葉があり、企業努力で得た利益は顧客・関係企業・自社で三分配し、地域社会にも還元する。これがYKKの企業精神〝善の循環〟です。これはSDGsのパートナーシップの精神に通じるものがあります。
※協力:(一社)立山黒部ジオパーク協会
※利用対象となる産業観光施設:宇奈月麦酒館・四十物昆布・魚の駅生地・YKKセンターパーク