SAKETOUR in 婦中町・八尾町

観光とは地域の「光」(自然や文化、産物、風俗、政治、暮らし等)を「観る」こと。ブラとやまは富山をぶらりと歩き、地域の「光」を新たに発見する、その楽しみを提供します。
オープニングとなる特別回では、日本の伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録決定したことを受け、〝日本酒〟をテーマに実施いたしました。ちょうど2月の新酒の時期に、婦中町と八尾町を巡るツアーをレポートさせていただきます!
富山駅の集合12:55(13:05頃にバスを出発いたしました。)
まず最初に訪問したのは、富山市婦中町の吉乃友酒造です。

吉乃友酒造は明治10(1877)年創業、昭和40年に純米酒の製造を始め、現在製造量の100%が純米酒です。また富山県では珍しく蔵見学を通年で行っています。
吉乃友酒造の敷地には地下水が湧き出ており、それは立山の雪解け水の常願寺川の地下水です。不思議な話ですが富山市東部の常願寺川の地下水が、富山市西部の神通川の下くぐり抜け、婦中町で湧き出ているのです。
蔵見学ではまず吉乃友の日本酒の説明。中でもおすすめのお酒「后スプラッシュPink」は、〝ワイングラスでおいしい日本酒アワード2025〟で、富山県で唯一の最高金賞を受賞しました。現在吉乃友のお酒は海外への出荷数がとても増えているとのことです。

吉乃友酒造では昔ながらの製造方法を行っています。タブレットの動画で仕込みの様子を見せてもらいながら解説していただきます。


蔵内では高品質な扁平精米ができる最新鋭の精米機を備え、酒米山田錦等の(他の酒蔵への)委託醸造も行っているそうです。

見学後試飲で后スプラッシュPinkをいただきました。スパークリング酒のため、どちらかというと食前酒向きですが、甘く深みの味ある味わいで、華のある日本酒だと感じました。贈り物におすすめの日本酒だと思います。その他やや辛口の〝后50〟や〝純〟は魚料理やお寿司に合うと感じました。


八尾町へ移動 15:00から玉旭酒造さんへ。
蔵内に入るとまず建物の奥行きの深さにびっくりします。

実は玉旭酒造さんは創業1808年、富山県ではニ番目に古い歴史のある酒造なのです。
※玉旭酒造さんは通常蔵見学を行っていませんが、今回は特別に見せていただくことができました。

昔ながらの伝統的な日本酒造りを続ける玉旭酒造さんは、なんとラベルも手張りだそうです。
しかし雄山錦を低温発酵させる環境は最新の設備が整っています。

見学後の試飲ではワンコイン(500円)で試飲用グラス6杯までお楽しみいただけるとのこと。
(玉旭酒造さんは蔵見学はできませんが、試飲はいつでも大丈夫です。)
甘くて飲みやすいECOES(エコーズ)は、食前酒として人気があります。また玉旭酒造さんおすすめのお酒は、辛口ながらまろやかな〝おわら娘〟、またガツンと来る個性的な味で飲み応えがある〝DESPERADO〟です。

16:00 福鶴酒造さんに到着です。(玉旭酒造さんから徒歩1分程度。)
1848年創業 昭和56年(1981年)に発売した〝純米酒風の盆〟は、農薬・化学肥料を一切使用しない有機JAS認定を受けた、有機栽培米コシヒカリ100%を原料のお酒です。また、辛口で魚料理と合わせやすい、富山県産米てんたかくで仕込んだ〝純米原酒八王〟などがあります。

福鶴酒造さんの正面の西町公民館では、毎年9月おわら風の盆の日に、優雅なおわら踊りが行われています。この時福鶴酒造さんには多くの人が訪れるそうです。

建物の中は地震が起こってもびくともしない、立派な梁と柱があります。今回は残念ながら蔵見学ができなかったため、酒造りのお話を聞き試飲を楽しみました。
福鶴酒造さんは土地の高低差をいかした木造三階建て、入口が最上階になります。それから酒造りの行程が上から下に下がっていく特殊構造になっているとのことです。解説を聞いた後、純米酒風の盆の試飲とハ王など一部のお酒を、追加料金で試飲させていただきました。


SAKE旅の魅力は、近年一つの酒蔵で複数の銘柄をつくるのが一般的で、酒蔵では普段飲むことができない酒を試飲することができます。短時間で個性的かつ多種多様な味わいを楽しむことでき、お酒好きにとって夢心地のひとときになります。また参加者がみな日本酒好きということで、それぞれの感想を共有し合うのも楽しい。
3つの酒蔵に共通しているのは、立山の雪解け水、常願寺川水系の水を使っていることです。富山市は水が自慢です。その水を活かして農業・産業、そして文化が生まれていることをあらためて実感しました。
16:55 SAKE旅の締めくくりとして、酒宴を行う〝越中八尾ベースOYATSU〟に到着。

OYATSUさんは明治5年の土蔵を活かした観光拠点。宿泊スペース・イベントスペース・カフェスペースがある八尾町の観光拠点の一つです。今回はレンタルスペースの蔵を借り、八尾町の日本酒と伝統芸能を楽しむ酒宴を行いました。
食事メニューは八尾町のジビエや山菜を使用した山の幸イタリアンです。

まず初めに食前酒として、甘口で飲みやすい玉旭酒造さんのECOESスパークリングをいただきます。
今回の酒宴では八尾町の4種類の日本酒を料理に合わせて提供していただく〝ペアリングスタイル〟です。酒宴は日本酒と山菜をいただきつつ、三味線と胡弓の静かな音色を聞きながら、やや堅い雰囲気でスタートしました。(三味線と胡弓の演奏は富山市内の〝株式会社楽家〟の濱谷さんにお願いしています。)


酒宴が進むと日本酒の提供も2杯目・3杯目とすすみ、料理も八尾町大長谷のジビエ・猪肉や鹿肉を使用したソーセージ、そしてパスタ料理と続きます。
(料理は八尾町大長谷の村上山荘さんにお願いしました。)
良い感じに時間が進み、四杯目に玉旭 Desperadoをいただきます。このお酒は玉旭酒造さんが洋楽から名前を取った、ガツンと来る個性的なお酒です。

そして酒宴の締めくくりは、濱谷さんの見事な民謡、八尾といえばの〝おわら風の盆〟です。踊りの振り付けの意味を教えてもらいながらみんなで踊りを楽しみました。

酒宴終了後、富山駅に19:30頃到着でツアー終了です。約6時間30分くらいのツアー時間はちょうど良いくらいだったと感じました。
風雅な酒宴は、あざやかな食、優雅な踊り、美しい音色、そして場の雰囲気により生まれるものと感じました。またいいお酒だからか、悪酔いせずすっきりです。
SAKE旅は今後呉東や呉西方面でも行いたいと思います。その際はぜひご参加ください!